イノウエ 【井上】レベル7
約592,000人
日本姓氏語源辞典
大阪府、兵庫県、福岡県。続いて神奈川県、東京都、愛知県、埼玉県、京都府、広島県、岡山県。イウエ、イガミは稀少。
①地形。水を汲む場所の上から。香川県仲多度郡まんのう町では井戸の上による明治新姓と伝える。沖縄県南城市玉城中山では井戸の上により当山姓から改姓したと伝える。推定では琉球王国時代。当山参照。奈良県吉野郡川上村白屋では明治新姓と伝える。同地では江戸時代に通称として「井ノ上」と呼称したとの伝もあり。長野県上伊那郡箕輪町三日町では同地の井戸の上から京極氏の三男が称したと伝える。伝承からの推定では戦国時代。京極参照。江戸時代にあった門割制度の井上門から。門の位置の例。鹿児島県薩摩郡さつま町虎居、鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名、鹿児島県鹿児島市東俣町、鹿児島県南さつま市金峰町新山、鹿児島県曽於市財部町北俣。鹿児島県鹿児島市吉野町では井之上門。門による明治新姓。善隣。静岡県菊川市河東、奈良県橿原市大久保町に分布あり。
※785年(延暦4年)に井上直の氏姓の記録あり。位置不詳。
※愛知県名古屋市千種区井上町は経由地。同地の地主だった井上氏により1965年に成立した地名。
※滋賀県栗東市井上は江戸時代に記録のある地名。同地に分布あり。
※京都府船井郡京丹波町富田井上は記録時代不詳の地名。地名はイガミ。同地に分布あり。
※兵庫県赤穂郡上郡町井上は江戸時代に記録のある地名。地名はイノカミで「井ノ上」とも表記した。
※香川県木田郡三木町池戸に分布あり。同地に隣接する香川県木田郡三木町井上は平安時代に記録のある地名。地名はイノエとも発音した。
※福岡県小郡市大保に分布あり。同地に隣接する福岡県小郡市井上は江戸時代に記録のある地名。
②長野県須坂市井上発祥。鎌倉時代に記録のある地名。山梨県大月市大月町花咲、山梨県大月市賑岡町畑倉、山梨県上野原市八ツ沢で伝承あり。福島県東白川郡棚倉町棚倉が藩庁の棚倉藩主、福島県いわき市平旧城跡が藩庁の磐城平藩主、茨城県笠間市笠間が藩庁の笠間藩主、茨城県筑西市甲が藩庁の下館藩主、茨城県下妻市下妻甲が藩庁の下妻藩主、群馬県館林市城町が藩庁の館林藩主、千葉県成田市高岡が藩庁の高岡藩主、岐阜県郡上市八幡町柳町が藩庁の郡上藩主、静岡県掛川市西大渕が藩庁の横須賀藩主、静岡県浜松市中央区元城町が藩庁の浜松藩主、京都府亀岡市荒塚町内丸が藩庁の丹波亀山藩主に江戸時代にあった。
③山梨県笛吹市御坂町井之上発祥。地名はイノウエ。平安時代に「井上」の表記で記録のある地名。
④大阪府藤井寺市大井付近(旧:井於郷)から発祥。奈良時代に記録のある地名。地名はイノヘ。
⑤兵庫県三木市志染町井上発祥。江戸時代に記録のある地名。大分県中津市での伝承。
⑥埼玉県飯能市井上発祥。江戸時代に記録のある地名。同地に分布あり。
⑦兵庫県淡路市木曽上の小字の井ノ上から発祥。同地付近に分布あり。
⑧地形。鹿児島県の奄美群島の一字姓である井に「上」を追加。推定では1953年の日本復帰時。鹿児島県大島郡徳之島町井之川は江戸時代に記録のある地名。同地に分布あり。井参照。
⑨コリア(朝鮮・韓国)系。推定での比率は1%以下。地形。新羅王の井戸の伝承から「井」を使用。大分県中津市(旧:下毛郡山国村)で1958年3月19日に帰化の記録あり。本姓は朴。朴参照。新井参照。