名字の由来、語源、分布

日本姓氏語源辞典
世界各国姓事情

タイ王国

自称 ราชอาณาจักรไทย(Rātcha Anāchak Thai, タイ語) 英語名 Kingdom of Thailand
人口 68,863,514人(2016年)
姓数 30,360個以上。Forebears による1人の姓の順位(2014年)。

特徴
「個人名(chuu)+姓(naamsakun)」の順であり、普段の生活では姓を使わず個人名に男女とも -khun 「~さん」をつけて使う。

歴史
1913年にラーマ6世(ワチラーウット)の名字法により、全国民が姓をもつことになった。『第三世界の姓名 人と名前と文化』(アジア経済研究所企画、松本脩作、大岩川嫩編、明石書店、1994)によるとラーマ6世は3,000個以上を創作しており、姓は祖先の個人名、出身地、職業といったものが起源となった。地方でも有力者がサンスクリット語、パーリ語に由来する姓を考案した。そのため、タイ語に由来するものよりもサンスクリット語、パーリ語を用いた長い姓が多い。また、姓の歴史が浅いため同姓の人はまず家族か近い親戚である。

1962年には、名字法や名称に関連したすべての法律が廃止となって「個人名法」が成立した。国王の名前と類似したもの、下賜の歴史のない名前、意味のない単語、10音節以上を持つ語などを用いる以外は自由に名前を付けることを許可するようになった。

結婚後の女性
以前は夫の姓を名乗ることを義務付けていた。しかし、2004年にタイの憲法裁判所から「夫の姓を名乗るとする条項は違憲である」とする違憲判決により、2005年には以下の方式を認めた。
1. 男性の姓を使用
2. 女姓の姓を使用
3. 新たに名字を作成する

ただし、現在でも結婚後の女性は男の姓を名乗ることが多い。

タイの民族構成(2011年)
タイ語族系(シャム人・ラオ人)76.4%
シナ系 14%
その他 マレー系など

タイ人(シャム人)
個人名を日常では使用する。伝統的に仏教と同時にアニミズムを信仰していたタイ人は、誕生時に牛などの動物の名前を付けることで災厄を避けることができると考えていた。また、かつては純タイ語の単音節の名を多く命名した。仕官すると「官位」の意のバンダーサックと「王が与えた名前」の意のラーチャティンナナームを通用名として利用して本名はあくまで幼名か綽名として使用するにとどまった。


山田長政 オークヤー(バンダーサック)・セナーピムック(ラーチャティンナナーム)

貴族のこの名前は昇進などで新たに名前を変更することが多く流動的だった。近代(チャクリー王朝初期)においては、貴族などで「家系」の意のブンナークを名の後に使用することもあり、代々国主を勤めている家系では、その国名の前に「ナ」をつけた。


ソンクラーの国主の場合 ナ・ソンクラー

シナ系
シナ系の漢人は同化が早かったため早い段階でタイ名を名乗った。現在では、シナ名を持つ者は少なく持っていても漢字で書けないことがよくあり、タイ語の名前を漢字になおして漢字圏で名乗るということもある。同化が進む以前においては、姓の前に潮州語の「姓」の音訳 「セー」、「シー」を付けこれを名字として、「個人名+姓」の順で名乗ることが多かった。


セーウン・シーウン(姓黄) ウンは「黄」の潮州語での発音。

マレー系
タイ国内のマレー人はムスリムであったためアラブ起源の名前を多く使用していた。後の名字令によってムスリム名を個人名としてマレー語の単語を姓として多く使った。ただし、ラーマ5世時代にバンコクに居住していたマレー人は、タイに同化したため個人名と姓には、サンスクリット、パーリ語、 純タイ語を用いた。また、ムスリム名も別に保持したためバンコクのマレー系は個人名、姓、綽名、ムスリム名と多数の名前を保持することになった。

ペルシャ系
ブンナーク(Bunnag)はアユタヤ王朝時代の官吏のシャイフ・アフマド・クーミーの子孫がラーマ6世の名字法以降にブンナークを名字としたことにあやかってブンナークを名乗る人物が多数でた。

タイの主要な歴代首相
■ プラヤー・マノーパコーンニティターダー(Phraya Manopakorn Nititada, 1884年7月15日 - 1948年10月1日)初代首相。
■ プラヤー・パホンポンパユハセーナー(Phraya Phahon Phonemically, 本名:ティン・パホンヨーティン、1887年3月29日 - 1947年2月14日)第2代首相。
■ ルワン・ピブーンソンクラーム(Luang Pibulsonggram, 1887年7月14日 - 1964年6月11日)第3代・第11代首相。シナ系。父の姓は林。
■ クアン・アパイウォン(Khuang Abhaiwongse, 1902年5月17日 - 1968年3月15日)第4代・第7代・第10代首相。
■ セーニー・プラーモート(Seni Pramoj, 1902年5月17日 - 1968年3月15日)第6代・第17代・第19代首相。
■ サリット・タナラット(Sarit Thanarat, 1908年6月16日 - 1963年12月8日)第14代首相。
■ ククリット・プラモート(Kukrit Pramoj, 1911年4月20日 - 1995年10月9日)第18代首相。ククリットは、「元気で力あるもの」の意で大きな声で泣く赤子だったことからラーマ5世の正妻だったシーパッチャリン王妃が命名。
■ プレーム・ティンスーラーノン(Prem Tinsulanonda, 1920年8月26日 - )第22代首相。
■ チャートチャーイ・チュンハワン(Chartchai Chunhavan, 1922年4月5日 - 1998年5月6日)第23代首相。シナ系。三世で本姓は林。
■ アナン・パンヤーラチュン(Anand Panyarachun, 1932年8月9日 - )第24代・第26代首相。
■ スチンダー・クラープラユーン(Suchinda Kraprayoon, 1933年8月6日 - )第25代首相。
■ チュワン・リークパイ(Chuan Leekpai, 1938年6月28日 - )第27代・第30代首相。シナ系。三世で呂姓を名乗る。
■ バンハーン・シラパアーチャー(Banharn Silpa-archa, 1932年8月19日 - )第28代首相。シナ系。馬姓を名乗る。
■ チャワリット・ヨンチャイユット(Chavalit Yongchaiyudh, 1932年5月15日 - )第29代首相。
■ タクシン・チナワット(Thaksin Shinawatra, 1949年7月26日 - )シナ(ハッカ)系。第31代首相。丘姓を名乗る。
■ スラユット・チュラーノン(Surayud Chulanont, 1943年8月27日 - )第33代首相。
■ サマック・スントラウェート(Samak Sundaravej, 1935年6月13日 - 2009年11月24日)第34代首相を務めた。
■ ソムチャーイ・ウォンサワット(Somchai Wongsawat, 1947年8月31日 - )第35代首相。
■ アピシット・ウェーチャチーワ(Abhisit Vejjajiva, 1964年8月3日 - )第36代首相。シナ(ハッカ)系。

タイ王国の姓ランキング(2014年)
順位 姓 人口
1 Saetang 112,738 シナ系。「姓陳」
2 Saelim 106,725 シナ系。「姓林」
3 Saeli 66,024 シナ系。「姓李」
4 Saeueng 64,860 シナ系。「姓黄」
5 Bunmi 62,364
6 Chanthara 52,245
7 Cherinsuk 50,842
8 Sukkasem 50,656
9 Sitwat 48,406
10 Ayutthaya 47,549
11 Thongkham 46,759
12 Saengthong 45,889
13 Saetan 44,950
14 Sangthong 44,699
15 Sisuk 42,310
16 Bunsi 41,022
17 Suwan 40,765
18 Sichantha 39,768
19 Bunma 39,523
20 Rungrueang 39,189
21 Thongdi 38,355
22 Photsi 37,927
23 Sombun 36,858
24 Kongkaeo 35,940
25 Sisuwan 35,866
26 Ketukaeo 34,380
27 Bunrueang 33,253
28 Sithong 32,659
29 Bunchu 31,879
30 Saetiao 31,660
31 Sukhotwat 30,691
32 Thongsuk 30,366
33 Photthong 30,027
34 Chaimongkhon 29,352
35 Bunchuai 29,184
36 Chairat 29,055
37 Sopha 28,734
38 Thongsi 28,371
39 Bunloet 28,287
40 Salae 28,216
41 Phakdi 27,743
42 Chaiyuang 27,668
43 Panya 27,404
44 Saelao 26,780
45 Sinuan 26,091
46 Somsi 25,781
47 Simueang 25,711
48 Sibunrueang 25,603
49 Chanthotri 25,547
50 Chaichana 25,538
51 Namuang 25,472
52 Phasuk 25,211
53 Chantharat 25,120
54 Suwanrat 24,723
55 Hongthong 24,676
56 Buathong 24,506
57 Saechueng 24,414
58 Ratnaphan 24,361
59 Cherinphon 24,197
60 Saengkaeo 24,025
61 Saengchan 23,946
62 Thawon 23,803
63 Sutthiprapha 23,747
64 Saengarun 23,488
65 Saeheng 23,402
66 Saensuk 23,329
67 Kaeomani 23,198
68 Bunrot 23,048
69 Saengsawang 22,893
70 Sikaeo 22,707
71 Phulotwat 22,600
72 Sukpraserit 22,593
73 Saithong 22,363
74 Nakhon 22,296
75 Mongkhon 21,950
76 Rueangsi 21,697
77 Klahan 21,355
78 Phonyiam 21,197
79 Chaisi 21,160
80 Somphachon 20,983
81 Bunmak 20,909
82 Bunkoet 20,678
83 Chaisit 20,576
84 Phachenrat 20,505
85 Chanthahom 20,358
86 Phanit 20,294
87 Panthong 20,197
88 Sihawong 20,189
89 Suksai 20,088
90 Prasoet 20,049
91 Wongsuwan 19,961
92 Chaikaeo 19,856
93 Buncherin 19,810
94 Chaiyotna 19,629
95 Wetkama 19,457
96 Bunsong 19,325
97 Sukcherin 19,129
98 Lowotsot 18,912
99 Phanthong 18,849
100 Bunchantha 18,773

参考

タイの人名
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%90%8D