名字の由来、語源、分布

日本姓氏語源辞典
世界各国姓事情

インドネシア共和国

自称 Republik Indonesia(インドネシア語) 英語名 Republic of Indonesia
人口 255,461,700人(2015年)
姓数 810,193個以上。Forebears による1人の姓の順位(2014年)。推定では個人名も含む。『外国人の姓名 第三版』(島村修治、ぎょうせい、1980)には「95%は無姓」とある。

特徴
ジャワ人とスンダ人は「個人名(nama)」のみが基本である。ただし「姓(Marga, Fam)」は、貴族の家系にはあり、個人名も複数持つため「個人名+個人名+姓」のようになる。個人名は三つが最も一般的で、四つの要素からなる名前もある。約50%を占めるジャワ人のほかに350以上の民族がおり、独自の命名法を持つ。

ジャワ島の個人名
多くはサンスクリット語に由来する。災難や病気が続くと名前を付け替えて「幸運」を意味するスラマットと命名することが多い。

称号
■ ジャワ人、スンダ人
ラデン
ラデン・マス
■ バンタム人(ジャワ島北西部のバンテンの住人)
トゥバグス

呼称
■ ジャワ人
バパッ 男性に対する最高の呼びかけ。インドネシア全土で使用。
ブン 男性同士の呼びかけ。「兄貴」の意。
イブ 女性に対する最高の呼びかけ。インドネシア全域で使用。
マス 男性への呼びかけ。
スス 目下の女性への呼びかけ。
■ スンダ人
ジャン 同世代の若者、または少年への呼びかけ。
マン 年下の男性への呼びかけ。
ネン 若い女性への呼びかけ。
ニャイ 年上の女性の自分への呼びかけ。植民地時代はヨーロッパ人男性の愛人の意。

ジャワ暦に由来する名
ジャワ暦(1週間=5日、1月=35日、1年=35月)の曜日名を名前に使用することがあり、誕生日が判明する場合がある。

ルギ 「第一曜日」
パイン 「第二曜日」
ワギ 「第三曜日」
クリウォン 「第四曜日」
ポン 「第五曜日」

職業名
先祖の職業が名前からわかる場合もある。
ティルタ 「公共用水の管理者」
サストラ 「書記」

キリスト教徒
伝統的なジャワ名の他にラテン語の洗礼名を使用。

Albertus Soegijopranoto(インドネシア人の司教)

父称
父の名を自分の名前に取り込む父称の習慣がある。

アブドゥルラフマン・ワヒド(Abdurrahman Wahid, 1940年8月4日 - )第4代大統領、父のワヒド・ハシムから。
メガワティ・スティアワティ・スカルノプトゥリ(Diah Permata Megawati Setiawati Sukarnoputri、1947年1月23日 - )第5代大統領、スカルノプトリは「スカルノの娘」の意。

貴族の姓の接辞
-kusmo
-negoro
-digdo
-amidjojo
-sastro

スンダ列島

Abineco
Amalo
Cunha
Fernandez
Foeh
Mbulu
Ndaumanu
Ngefak
Nisnoni
Parera
Ramosowa
Seda

その他の地域・民族
ムスリムのマレー人、アチェ人
アラブ式に父称による呼び名を持ち、個人名の後につけて姓のように使う場合もある。
アチェでは、ダウド、トゥマクという称号を使用する。

スマトラ島のバタック(Batak)人
「個人名+姓」の順である。

呼称
アマン 年上の男性への呼びかけ。
エダ 女性同士の呼びかけ。
イナン 年上の女性への呼びかけ。
イト 異性への呼びかけ。
ラエ 男性同士の呼びかけ。

キリスト教のバタック人

Aritonang
Bandjarnahor
Bangun
Butar-Butar
Damanik
Debataradja
Gintings
Girsang
Gultom
Hariandja
Hutabarat
Hutagalung
Hutahaean
Hutapea
Lingga
Lumbantobing
Lumbantoruan
Manalu
Manik
Manullang
Manurung
Marbum
Marpaung
Matondang
Nababan
Nadeak
Naibaho
Nainggolan
Naipospos
Napitupulu
Pandjaitan
Pangaribuan
Panggabean
Parapat
Pardede
Pasaribu
Pohan
Purba
Radjagukguk
Samosir
Sarumpet
Sianipar
Sianturi
Sibarani
Siburian
Sidabutar
Sidjabat
Sigalingging
Sihite
Sihombing
Sihotang
Silaban
Silalahi
Silitonga
Simandjuntak
Simangunsong
Simatupang
Sinaga
Sinambela
Sitepu
Sitohang
Tambunan
Tampubolon

イスラームのバタック人

Batubara
Harahap
Hasibuan
Hutasuhut
Lubis
Nasution
Pandiangan
Pane
Pulungan
Rangkuti
Siregar
Tandjung

スマトラ島のミナンカバウ(Minangkabau)人
「個人名+父親の個人名」の順。世界一大きい母系社会。

呼称
バユン 男性への呼びかけ。
ウピッ 女性への呼びかけ。

名誉名(上流階級の成人男性)
スタン
ダトゥ
バギンドゥ

名前の例
■ シャフリル(Sutan Sjahrir, 1909年3月5日 - 1966年4月9日)民族主義運動家。
■ タン・マラカ(Tan Malaka, 正式名:スタン・イブラヒム・グラル・ダトゥク・タン・マラカ(Sutan Ibrahim Gelar Datuk Tan Malaka)、1987年 - 1949年2月19日)革命家。

バリ島、ロンボク島
呼称
ゲ 若い女性への呼びかけ。エゲッ「すてきな」の略。
グス 若い男性への呼びかけ。バグス「すばらしい」の略。

階級ごとの名前
■ ブラフマナ(僧侶)
男 イダ・バグス 「卓越した」 女 イダ・アユ 「りっぱな美人」 (名前の一部)
■ クシャトリア(サトリア)
アグン・グデェ
■ ウェシア
男 イダ 女 ニ (名前の前の称号)
バリ島、ロンボク島での男女の出生順に基づく名前

第一子 ワヤン(Wayan)「影」、Yan
第二子 マデ(Made)
第三子 ニョマン(Nyoman)、Man
第四子 クトット(Ketut)、Tut
第五子以降 上記の後ろに、Balik「再び」が付属。
■ スードラ(平民) 80%を占める。

バリ島の名はインドネシア語のローマ字化で発音やスペルは1970年代から1980年代にかなり変化した。

フローレス島
氏族名を姓のように用いて「個人名+姓」の順である。

カリマンタン(ボルネオ)島のダヤック(Dayak)人
「個人名+姓」の順である

ダヤック人の姓
Dau
Narang

スラウェシ島北部・中部

Frederic
Gerungan
Hamel
kalalo
Kamah
Kambey
Kandou
Kansil
Katamsi
Kawilarang
Kumontoy
Lantang
Lasut
Lempoy
Lenkong
Linuh
Lumungan
Manopo
Manusama
Maramis
Massie
Meray
Mokoginta
Moniaga
Pakaya
Palar
Panggey
Pangrapan
Parengkuan
Pondaag
Pontoh
Pusung
Rambing
Rampen
Rangkang
Rarumangkay
Ratulangi
Ratumbuysang
Rotty
Rumengan
Runtukahu
Saerang
Siwu
Sompotan
Sondakh
Soputan
Sumampouw
Supit
Suwu
Tairas
Tamoe
Tampinongkol
Tarek
Taulu
Tenda
Tirajoh
Toloh
Tumengkol
Tumilaar
Umbas
Umboh
Walean
Waleleng
Walur
Warouw
Woworuntu
Wollah
Worotikan

スラウェシ島北部のミナハサン(Minahasan)人

「個人名+姓」の順で、パトゥアリ(Patuari)と呼ぶ家族関係が、オランダ時代にファミリ(Famili)となり、家名として用いる。女性の中には、結婚して夫の家名を使用するようになっても実家の家名を付けている人が少なくない。


Luntungan
Muntuan
Nayoan
Wenas

スラウェシ島南部のブギス(Bugis)人
「個人名+姓」の順である。

称号
アンディ


Mappanyukki
Mallarangeng
Mattalatta

モルッカ諸島

De Queljoe
Leimena
Manoehoetoe
Pattinama
Pattinasarany
Pattipilohy
Pelupessy
Putuhena
Sahetapy
Sahulata
Siwabessy
Tupamahu
Wattimena

モルッカ諸島のアンボン人(Ambonese)

氏族名を姓のように用いており「個人名+姓」の順である。


Latumahina
Lawalata
Matulessy

パプア州・西パプア州
「個人名+姓」の順で、ファムと呼称する父系家族集団があり、父方の名前が受け継ぐ。以前は、アウウェット(auwet)という親族集団が存在しており、アンボン島のキリスト教の宣教師がファムに置き換えた。

父 ヒューバー・バグレ
子 ウェンピ・バグレ


Bonay
Dimara
Jouwe
Rumkorem
Wajoi

インドネシア共和国の姓ランキング(2014年)
順位 姓 人口
1 Sari 976,439
2 Setiawan 690,352
3 Hidayat 590,281
4 Lestari 581,887
5 Saputra 555,245
6 Wati 521,880
7 Rahayu 512,776
8 Dewi 425,291
9 Kurniawan 422,909
10 Santoso 419,243
11 Putra 414,440
12 Susanti 408,434
13 Wahyuni 405,439
14 Ningsih 349,153
15 Susanto 339,334
16 Gunawan 331,286
17 Arifin 329,057
18 Siregar 313,483
19 Astuti 312,929
20 Wijaya 311,194
21 Handayani 310,576
22 Rahman 293,103
23 Irawan 273,956
24 Hasanah 252,172
25 Nurhayati 239,175
26 Putri 234,608
27 Wulandari 231,807
28 Wibowo 230,546
29 Aminah 227,610
30 Efendi 224,451
31 Yanti 224,001
32 Maulana 223,026
33 Sinaga 221,900
34 Hadi 221,409
35 Suryani 219,188
36 Fatimah 217,422
37 Wahyudi 214,281
38 Lubis 211,628
39 Pratama 206,683
40 Utami 205,971
41 Anwar 205,464
42 Nasution 203,318
43 Hermawan 198,632
44 Ali 198,278
45 Prasetyo 188,087
46 Rahmawati 186,147
47 Nugroho 184,951
48 Harahap 184,225
49 Purba 182,579
50 Rohman 179,956
51 Yusuf 179,647
52 Mulyani 179,355
53 Purwanto 178,760
54 Purnomo 176,001
55 Widodo 174,811
56 Hasan 170,833
57 Utomo 164,805
58 Hartono 157,807
59 Ginting 157,038
60 Ahmad 155,496
61 Fauzi 152,100
62 Abidin 151,686
63 Simanjuntak 151,440
64 Yani 151,400
65 Hayati 149,642
66 Aisyah 149,078
67 Hakim 146,604
68 Marlina 140,971
69 Nugraha 139,306
70 Hasibuan 139,069
71 Permana 138,759
72 Sumiati 138,061
73 Supriatna 132,357
74 Iskandar 132,309
75 Salim 132,113
76 Suryana 131,156
77 Amin 130,768
78 Mulyana 130,081
79 Bahri 128,509
80 Mulyadi 127,831
81 Sumarni 126,678
82 Supriadi 126,004
83 Sihombing 125,703
84 Sulastri 124,390
85 Nurjanah 123,337
86 Agustina 121,611
87 Aisah 121,372
88 Tarigan 120,920
89 Sembiring 119,801
90 Riyadi 118,797
91 Kurnia 118,144
92 Riyanto 117,640
93 Ismail 117,361
94 Yulianti 117,060
95 Huda 116,886
96 Pratiwi 116,061
97 Aini 115,166
98 Safitri 113,890
99 Nur 113,588
100 Nuraeni 112,657

出典
http://forebears.co.uk/indonesia#surnames
本来の出典は不明。

参考
『インドネシアの諸民族と文化』(クンチャニングラット編、加藤剛、土屋健治、白石隆訳、めこん、1980)
『カルチャーショック04 インドネシア人』(キャシー・ドレイン、バーバラ・ホール、増永豪男訳、河出書房新社、1998)
『世界の言語ガイドブック2 アジア・アフリカ地域』(東京外国語大学語学研究所編、三省堂、1998)
『第三世界の姓名 人と名前と文化』(アジア経済研究所企画、松本脩作、大岩川嫩編、明石書店、1994)
Balinese name
http://en.wikipedia.org/wiki/Balinese_name
Marga (Batak)
http://en.wikipedia.org/wiki/Marga_%28Batak%29